青少年も安心して楽しめる! カラオケ店の利用ルールと、青少年の未来を守る取り組み
カラオケは、幅広い世代に親しまれる娯楽施設ですが、青少年の利用に際しては、安全性や健全性を守るためのルールが設けられています。
一方、近年ではカラオケボックスを活用した啓発活動や、10代の孤立解消を目的としたNPO団体等との連携も進み、新たな公共性を担う場としての可能性も広がっています。
本記事では、青少年がカラオケを利用する際の基本的なルールを整理し、安全に楽しむためのポイントを解説するとともに、カラオケ業界が推進する社会貢献活動についても紹介していきます。
利用ルールを守って、安全にカラオケを楽しもう!
カラオケ店では、青少年が安全に利用できるよう、各自治体の条例や業界の自主規制基準に基づくルールが設定されています。なかでも重要なのが、下記のふたつのルールです。
深夜の利用制限
多くの店舗では、各都道府県の青少年保護条例等により、18歳未満の利用時間が制限されています。例えば、16歳未満は午後6時以降の利用が禁止されている都道府県もあり、18歳未満は午後10時もしくは午後11時以降の利用が認められていません。
また業界の自主規制基準に則り、各店舗の受付では入店時の年齢確認を徹底しているほか、18歳未満と思われる青少年が午後10時もしくは午後11時を過ぎても帰らない場合、条例違反となることを説明した上で、退店を勧告するよう義務付けられています。
都道府県によっては、保護者同伴であれば午後10時以降の利用を認めているケースもありますが、まずは原則として「青少年の利用は午後10時まで」と意識するようにしましょう。
※利用制限の開始時間は、都道府県の青少年保護条例等により違いがありますので、ご利用前に店舗スタッフにご確認ください。
喫煙・アルコールの禁止
未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法により未成年者(満20歳未満の者)の飲酒・喫煙は禁止されています。
また各店舗では、たばこ・酒類を販売する際には、その特性を理解しているものが購入者を確認し
た上で販売を行う、いわゆる「対面販売」を心掛けるとともに、未成年者の喫煙・飲酒を防止するために、下記に掲げる措置の徹底が推奨されています。
(1)未成年者には、たばこや灰皿、酒類を提供しない。
(2)たばこ、酒類の自動販売機は、従業員の目の届くところに設置し、従業員が監視できない場合には設置しない。
(3) 営業店内で喫煙、飲酒等の少年の健全な育成を阻害する行為が行われないよう、定期的に巡回を行う。
(4) 喫煙、飲酒等をしている少年を見かけたら、その場で注意して止めさせる。なお、必要な場合は警察へ通報し、
協力を依頼する。
青少年が安全にカラオケを利用するためのポイント
カラオケをより安全に楽しむためには、事前の準備と注意が重要です。ここでは特に青少年の利用者が意識すべきポイントを紹介します。
ルールを事前に確認する
入店前に各店舗の利用規則を把握し、年齢による利用制限や必要な持ち物(身分証明書など)を確認しておきましょう。各カラオケチェーンの公式サイトでも詳細を確認できます。また、事前に店舗の口コミや評判をチェックすることで、安全性の高い店舗を選ぶことも重要です。
友人や保護者と一緒に利用する
信頼できる友人や保護者と一緒に来店することで、安全性を高められます。特に青少年の場合は、一人でのカラオケの利用を避けることで、不測の事態への対応もしやすくなるはずです。
緊急時の連絡手段を確保する
万が一のトラブルに備え、保護者や友人と常に連絡が取れる状態にしておくことも大切です。また、利用中に何らかの不安や違和感を感じた場合、速やかに店舗スタッフに相談できるよう、受付の位置を把握しておくようにしましょう。
不審な行動には注意する
店内で不審な行動を見かけた場合は、すぐに店員に相談しましょう。防犯カメラの設置が進んでいる店舗も多いですが、自己防衛の意識を持つことが大切です。
カラオケボックスが青少年の啓発や、10代の孤立解消のための場に
近年では青少年の啓発の場として、カラオケを活用する事例も増えてきました。例えば、SNSで実行犯を募る「闇バイト」や「特殊詐欺」に青少年が巻きこまれるのを防ぐために、カラオケの曲と曲の合間に、青少年啓発のための広報映像を流す、といった取り組みも進んでいます。
また「10代の孤立」が大きな社会問題となりつつある昨今、カラオケボックスには青少年と支援機関をつなぐ架け橋としての役割も期待されています。例えば、あるカラオケチェーンでは、NPO団体と連携し、不登校や中退、困窮といった悩みを気軽に相談できるチャットサービスのポスターと相談カードを店内に設置。社会にはさまざまな相談やサポートの場があることを青少年に知ってもらうための、きっかけづくりに取り組んでいます。
このような取り組みがさらに進めば、カラオケは単なる娯楽施設ではなく、青少年の健全な成長に貢献できる存在となっていくはずです。
青少年の未来のために、カラオケができること
青少年がより安心・安全にカラオケを楽しむためには、利用ルールをしっかりと理解し、それを守れる仕組みを整えることが重要です。また今後もカラオケ業界全体として啓発活動やNPO団体等との連携を積極的に推し進めることで、青少年の未来を守っていければと考えています。